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古事記「国譲り(中編)」を探る

建御雷之男神は建御名方神との力くらべに勝ち、国譲りを承諾させる。この力くらべのエピソードは、諏訪神社に伝えられる
神事相撲(豊作を占う神事)が原型でないかという説がある。

古事記「国譲り(中編)」あらすじ

建御雷之男神が大国主神に尋ねた。
「今、あなたの子、事代主神がこのように申したが、他に意見する子はいるか」
「私の子、建御名方神(タケミナカタノカミ)がおります。それ以外にはおりません」

そのように話している間に、その建御名方神が千引の石を手先に持ち上げてやってきた。
「誰だ!わが国にやってきて、コソコソと話しをしているのは!力くらべをしようじゃないか。私がまず手を取ろう」
そこで建御雷之男神は建御名方神に手を取らせたが、その手はたちまち氷柱となり、また剣の刃に変化した。それで建御名方神は恐れて引き下がってしまった。

今度は建御雷之男神が建御名方神の手を取ると、まるで葦の若葉をつかむように握りつぶして投げはなしてしまったので、建御名方神はただちに逃げ去った。逃げる建御名方神を建御雷之男神は追いかけて、科野国の州羽の海まで追い詰めて殺そうとした。そのとき建御名方神が言った。
「恐れ入りました。私を殺さないでください。この土地から離れて他のところへはいきません。また我が父、大国主神の命令にそむきません。事代主神の言う事にも、そむきません。この葦原中国は、天つ神の御子のお言葉のままたてまつります」

古事記 「国譲り(中編)」語句解説

建御名方神(タケミナカタノカミ):
諏訪神社の祭神。

千引の石(チビキノイワ):
千人の人が引くほどの大岩。

科野国の州羽の海(シナノノクニノスハノウミ):
長野県の諏訪湖。

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(2000/10/11)