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古事記「スサノヲ乱暴」を探る

アマテラスとスサノヲは実に不可思議な関係である。姉弟でありながら激しく対立する。一度は誓約によって相互理解が深まったかに見え、スサノヲの暴挙をアマテラスが擁護する場面もある。しかし高天原で大暴れするスサノヲにアマテラスは姿を隠してしまう。

地方豪族が大和朝廷吸収される様子を、古事記では血縁関係者として登場させることにより物語る場面が多い。アマテラスとスサノヲの関係もそれと同様とする説が大半であるが、古事記のエピソードからは、それ以上に何かある関係ではないかと疑わせる。

古事「スサノヲ乱暴」あらすじ

スサノヲはアマテラスにいった。
「私の心が清く明るいから、私の生んだ子は女の子だったのです。だから私が誓約に勝ったのです」

スサノヲは勝ちに乗じて、アマテラスの田の畔を壊し、田の溝を埋め、またアマテラスが新嘗祭を行なう神聖な御殿に屎を散らかした。

しかしアマテラスはとがめることなく、
「屎のようなものは、酔って吐こうとして弟はしたのでしょう。また田の畔を壊し、田の溝を埋めたのは、土地がもったいないとして、弟はしたのでしょう」
とスサノヲの行動を善いように言い直したが、スサノヲの悪態はおさまることがなかった。

アマテラスが機織屋にいて、機織女に神御衣を織らせていたときのことである。スサノヲはその機織屋の棟に穴をあけ、馬の皮を剥ぎ取って落とし入れた。これを見て驚いた機織女がで陰部を衝いて死んでしまった。

この様子を見ていたアマテラスは驚いて、天の石屋の戸を開いて、中に閉じこもってしまった。すると天高原はすっかり暗くなり、葦原中国もことごとく暗くなった。永遠の闇が続いた。邪神の騒ぐ声が蝿のように満ちて、あらゆる禍が起こった。

古事記 「スサノヲ乱暴」語句解説

神御衣(かむみそ):
神に献る衣服。

梭(ひ):
機を織る時、縦糸の間に糸を通すのに使う道具。

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(1999/4/24)